車には複雑かつ不合理な税金が課されていることをご存知でしょうか?

車を購入すれば税金が。

運転して道を走れば税金が。

持っているだけでも税金がかかります。

知るほどに様々な疑問が浮かぶ車の税金について調べてみました。

続く車の税金の歴史

車の税金の起源は、1873年に始まったとされています。

明治6年でのことですから、課税対象は馬車や人力車でした。

その後、1940年に創設された自動車税として統一されます。

 

このときの目的は太平洋戦争の戦費調達で、財源確保が目的とされています。

石油消費税も明治時代のものですが、車ではなく、ランプの燃料に課税するために作られたもので、このときの目的は日露戦争の戦費を集めるためだったとされています。

 

終戦後には、受益者負担と言う観点から、道路整備に限定して使う道路特定財源となりました。

どんどん課される上乗せ税率

54年にガソリンを対象にした揮発油税が道路特定財源になり、ガソリンだけに課税されるのは、不公平だと言う建前で軽油、石油ガスにも税がかけられました。

道路整備の財源不足を理由に、68年に自動車取得税、71年に自動車重量税、揮発油税などに、本則税率に上乗せした暫定税率が課されました。

重量税が車の重さに課税するのは、道路を傷める重い車に乗る人ほど多く税を負担すべきと言う理屈によるものです。

 

そして2000年代に、道路事業費の抑制などによって、自動車関連諸税の税収が事業費を上回るようになりました。

2009年からは道路特定財源の税は暫定税率の特例措置が維持されたまま、その使用用途を道路に限定しない一般財源となりました。

 

車の税金9種類

車には買った時(取得)、持ってる時(保有)、走行している時(走行)で、合計9種類の税金が課せられます。

これらの税金は道路の受益者負担という考えから、自動車ユーザーだけに課せられ、定められた税率に上乗せされているものもあります。

取得段階 自動車取得税
消費税

 

保有段階 自動車重量税
自動車税
軽自動車税

 

走行段階 揮発油税
地方揮発油税
軽油引取税
石油ガス税
消費税

 

もう車の税金は必要じゃない

もともと道路整備に集められた車にかかる税金は、その名目を失い、税を課す根拠もなくなったわけです。

それなのに、この複雑な仕組みが残っている理由の一つが税収の規模があまりに大きいからです。

 

車やガソリンに係る税と、その両方にかかる消費税を合わせると、国と地方の税収のおよそ8%を占めています。

また、車を買う時、車検の時、給油の時と確実に徴収できるので、集めやすい税だという事情もあり、酒税に変わる”金のなる木”なのです。

まとめ

車への課税スタンスは国によって様々で、日本以上に車社会のアメリカでは税負担はすごく軽いです。

逆に車を買うと、車以上の価格の課税をされる国もあります。

 

自動車取得税は消費税が10%に引き上げられる時に廃止される方向です。

しかし、車はまだまだ高価な買い物ですから、使用用途がなくなった今、少しでも税負担を減らすためにも、課税対象を減らしていくことが求められていると言えます。