健康診断のクライマックスの一つがバリウム検査。
なんともいえないあの白い液体を飲むことで何がわかるのでしょうか?
年に一度の健康診断と聞いて、フラッシュバックしてしまうあの感覚・・・。
その気の重さの理由はバリウム検査があるからではないでしょうか?
独特のとろみと味のある、牛乳でもヨーグルトでもない真っ白で独特の液体を飲み干すの感覚は、あまり気持ちのいいものではありません。
そんなバリウム検査は実際のところ何がわかるのだろうと疑問に感じたことはありませんか?
今日はバリウム検査について解説していきます。
バリウム検査とは?
バリウム検査とは、正式には上部消化管造影検査と言い、食道、胃、十二指腸の病変を検査し、流れていく様子を、動画で見ることができます。
上部消化管造影検査では、通常のレントゲン写真と異なり、X線を連続して照射しながら行います。
そもそも胃の何を観察しているのかと言うと、主に胃の粘膜の異常を見つけます。
胃を空気や炭酸ガスで膨らませ、黒く写る部分を作り、白く写るバリウムとのコントラストで、細かな病変を映し出す”二重造影法”と言う手法で行います。
身体をゴロゴロ動かして、胃粘膜にバリウム(造影剤)が行き渡るように、胃の形に合わせて撮影できるように身体を動かしながら撮影していきます。
バリウム検査でわかること
健康診断で行われるバリウム検査で、異常が見つかる代表的な病気があります。
その代表的なものが”慢性胃炎”です。
健康診断で行うバリウム検査の目的は、胃がんや食道がんの早期発見です。
がんは必ず粘膜面の変化がみられ、バリウムはその粘膜に付着します。
検査台の上で、左へ右へと方向を変えながら撮影した経験をしたことが有ると思いますが、あれは、バリウムが粘膜表面を滑り落ちて行く時に、ポリープや腫瘍などが無いかをチェックしているのです。
慢性胃炎の場合は、胃の粘膜表面が胃酸過多や、暴飲暴食によって少し荒れたような状態になっているものです。
通常の胃粘膜とことなり、粘膜表面が荒れているため、細かいシワのような場所にバリウムがたまるため、ちりめんシワのような模様が写ります。
慢性胃炎そのものは、さほど気にしなくても良いのですが、繰り返す胃炎はヘリコバクターピロリ菌の存在が関与しているものと言われていますので、詳細な検査をオススメしめます。
バリウム検査結果で”異常”を指摘されたら
バリウム検査で異常を指摘されても、慌てずに、医師の所見に従って、精密検査を必ず受けていくことが大切です。
胃潰瘍や、胃のポリープ疑いなど、代表的な異常所見があります。
多くのものは心配不要なものですが、中には悪性の胃がんや食道がんの可能性が疑われるものもあります。
このような場合には、「内視鏡検査を受けてください」とコメントが出されます。
バリウム検査よりも、直接粘膜を確認できる内視鏡検査のほうがよくわかるからです。
まとめ
バリウム検査の結果で、自己判断するのではなく、所見用紙に書かれた医師の指示に従うことが癌の早期発見、早期治療に不可欠です。
また、内視鏡検査を受ける際は喉から入れるものよりも、鼻から入れる内視鏡検査のほうが、吐き気をもよおさず比較的負担も少なく済みます。
内視鏡検査が苦手な場合は鼻から入れる検査を受けてみてください。