動水勾配と流量・流速・管の断面積の関係と計算方法

資格

2018/4/24

動水勾配の計算はそんなに難しいものではありません。

むしろ、流量・流速・管の断面積の計算のほうがよくわからなくなる時があります。

流速の計算は実務でも頻繁に使いますので、ここでぜひ理解して覚えましょう。

給水装置工事主任技術者試験対策では必須項目です。

直結直圧式の動水勾配線図を理解しよう

よくこんな図を見たことありませんか?

動水勾配線図

 

配水管から分岐した水は、分水栓、止水栓、水道メーターなどの障害物を経由して給水栓、いわば蛇口から吐水されます。

このとき、給水管の摩擦抵抗や、各種栓類の抵抗によって、水圧が失われていきます。

 

つまり、管内を流れるだけでも摩擦で水圧が落ちるし、メーターなどの障害物でも圧力が減っていき、蛇口から水が出る時に水圧が0になってはいけませんよっていうことです。

分岐するときの口径の算定は、”分岐部分から、末端の給水栓までの動水勾配を求め、末端の給水栓から給水可能な口径”を求めることです。

動水勾配を求める計算

動水勾配を実際に計算していきます。

わかりやすく計算方法を解説していきますが、それでもわからなかった場合は、また後日改めて眺めてみてください。

慣れるとわかることもあります。

 

動水勾配の公式

i = hf / (L+Le) ✕ 1,000

i:動水勾配

f:直管の摩擦損失水頭

L:直管の長さ

e:直管換算延長

要約すると、動水勾配を計算するには、直管の長さと換算延長を足したものを、摩擦損失水頭で割って1,000を掛ければ良いということになります。

 

例題

配管の長さ20mに対して、損失水頭が1mであった時の動水勾配を求めなさい。

ただし、、直管換算長は考慮しないものとする。

 

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解答

動水勾配の公式に当てはめます。

i = 損失水頭が1m ÷ (管の長さが20m + 換算長は0) ✕ 1,000 = 50‰

先に( )を計算します。

 

分数が苦手でわかりにくいのはわかりますが、単純に上を下で÷だけです。

1を20で割ればいいだけなので、0.05になります。

電卓で1÷20を計算してみてください。

 

0.05に1,000を掛ければ、50になりますから、答えは50‰となります。

解答 50‰(パーミル)

流量計算

流量、断面積、流速の間には次の関係があります。

流量・断面積・流速

Q = A ・ V
V = Q / A
A = Q / V

Q:流量

A:管の断面積

V:流速

管の断面積は、半径✕半径✕円周率で求められます。

SUSΦ50の場合

((0.049 ÷ 2)^2)✕ 3.14 = 0.001884785㎡

これが断面積になります。

 

例題

容量100㎥の受水槽に、口径75ミリメートルの給水管で給水する場合の所要時間を求めなさい。

ただし、給水管の管内流速は2m/秒、断面積は0.004㎡とする。

 

 

 

解答

まず、流量を求めましょう。

流量は、Q=A・Vですが、これだと㎥/になってしまうので、3,600A・Vで計算し、㎥/にします。

Q = 3,600 ✕ 断面積は0.004 ✕ 流速は2m = 28.8㎥/時

 

受水槽の有効容量をv㎥、所要時間をt時とすると

t = v/Q = 100 ÷ 28.8 ≒ 3.5時間

解答 3時間30分

まとめ

計算問題は公式を覚えて、練習問題を解かないと理解するのは難しいと思います。

特に、流量、断面積、流速はなかなか整理が難しいところです。

ここまでは基本的な計算なので、慌てずじっくり理解していきましょう。

今後は過去問なども例題にして解説していきたいと思います。

 

 

 

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