老人ホームの水道申請
さて、去年に続き老人ホーム案件がまたやってまいりました。
老人ホームは平成26年7月に建築基準法改正により、地下室の容積率規制緩和がなされたことによってさらに需要が高まっています。
エレベーターや地下室は1/3を限度に容積率に算入しないということです。
空調などの設備機械室を地下に設ければ、その分スペースを確保できるのでありがたいですね♪
そして、老人ホームにネックなスプリンクラーの申請問題です。
いつもお付き合いしている業者さんの紹介で依頼に来られました。
口コミってありがたいですね(笑)
申請の進め方
まず相手は水道業者ではなく、消防設備業者さんなので、申請から許可までの流れを説明します。
今回は、新築ではなく、既存建物を改装して老人ホームにするということなので、ポイントを絞って説明していきましょう。
- スプリンクラーはΦ40以上の口径が必要なこと
- 既存管の口径によっては掘削工事が必要なこと
- メーターΦ40になるので、加入金が94.5万円かかること
やはり、金銭的な部分は先に告げておきませんと、金額が確定してしまってからでは赤字工事になってしまう可能性があります。
さらに、掘削工事ではカラー舗装の有無などでライン工が高額になることも告げました。
相模原はカラー舗装が多く、あれが以上に高額です。
必要書類
次に必要書類を用意します。
申請は法人名義とのことですので、いったん建築確認済証を確認して書類を作成していきます。
用意する書類一覧です。
- 給水装置工事申込書・給水装置工事
- 受水槽念書
- 床下配管念書
- 水道連結型スプリンクラー設備設置に係る誓約書
- 所有者変更届
- 給水目的変更届
- 水道利用加入金免除申請書
- 給水装置に係る情報の提供請求書
以上が必要書類です。
水道利用加入金免除申請書とは、その土地に水道利用の権利が保留されている場合に、新たな加入金に充当することができる書類です。
今回はΦ40メーターに増径しますので、いくらか加入金が安くなるということです。
さらに、既設建物の改装ですから『給水装置に係る情報の提供請求書』で既設管の情報を把握し、図面に落としていきます。
次に、その他の必要書類です。
- 建築確認済証
- 給水装置工事に伴う道路復旧舗装工事施行条件承諾書
- 道路占用許可書
- 消防設備士による水理計算書
- 給水主任技術者による水理計算書
などを添付します。
申請図面の描き方
まず、既設管の情報を落としていき、どのようにしてΦ40のメーターを設置できるか施工サイドと打ち合わせを行い、そこから取出し位置を決めていきます。
宅内側とスプリンクラー側に分岐させ、スプリンクラーの分岐直後に逆止弁を設置します。
スプリンクラー側に逆止弁は絶対必須になりますので、必ず施工サイドにも周知させます。
最悪検査に受からずやり直しになります。
スプリンクラーは通常1Fと2Fに分岐していくと思いますが、それぞれ管末をトイレや洗濯水栓に結びます。
管末止にすると死水になりますので、これだと許可はおりません。
図面のアイているスペースにスプリンクラーの詳細を書き込みます。
詳細項目
- メーカー
- 種別
- 型式
- 型式番号
- ヘッド放水量
- 最大放水量
などの詳細が必要ですので、消防設備士にカタログや承認図をもらいましょう。
水理計算
通常消防設備士がスプリンクラーの水理計算を行いますが、頼まれる場合もあります。
最大放水量は4個同時で60リットル/minですので、2F一番奥から60リットル/minで計算すればいいだけです。
スプリンクラー用の水理計算は消防設備士に渡して、消防署の許可をもらい、それを水道営業所に提出すれば申請自体は問題ありません。
まとめ
スプリンクラーの申請は前回同様書類や確認事項が多く、うまく連携しないとつまずいてしまいます。
しかし、意外とよくわかっていない消防設備士もいますので、需要がありおすすめのジャンルです。
ぜひ県水のスプリンクラー申請の参考にしてみてください。